【おすすめ昆虫図鑑2022】学研の図鑑LIVE昆虫新版が最強NO.1図鑑!?使い心地を徹底紹介!
![](https://midikanasizen.com/wp-content/uploads/2022/06/サムネ_1600-3.jpg)
「おすすめの昆虫図鑑はどれ?」
と聞かれたら、この図鑑と答えるのが今後の常識となるでしょう。
学研の図鑑LIVE昆虫新版
まさに昆虫図鑑の新しいバイブルとも言える素晴らしい図鑑が出版されました。
早速手に入れたけど、これまでの図鑑を知っていると感動ものだったよ…
・全ての虫好き少年少女
・初めての昆虫図鑑を選ぶ方
・昆虫を総括的に学びたい学生、大人
・昆虫採集、観察に興味のある方
・昆虫苦手だけど克服したい方
ほぼ全国民におすすめじゃん!笑
それはさすがにおおげさだけど、特に最初の1冊として最高の図鑑!
昆虫採集など自然解説の講師もしているムーアが紹介していくよ!
学研の図鑑LIVE昆虫新版とは
2022年6月に出版された、学研の図鑑LIVEシリーズの新版。
学研の図鑑シリーズは2020年に50周年を迎え、現在各分野で専門家として活躍されてる方々にもこのシリーズを読んで育った方が多くいるそうです。
仕様
さて、この学研の図鑑LIVE昆虫新版はどんな特徴があるかというと、
・掲載種数2800種(類書中NO.1)
・全て日本産の昆虫(外来種含む)
・生きた昆虫の白背景写真を採用
・総勢50名の専門家による最新情報
・本文、コラムも充実
という超豪華な仕様となっています。
総監修は「子ども科学電話相談」でもお馴染みの丸山宗利先生。
できることならば子供のころに私に見せてやりたい
冒頭:読者のみなさんへより
と丸山先生が書かれていたこの言葉が全てを物語っていますね。
今できる全てを凝縮したような図鑑、と感じました。
テーマ、内容
今回の図鑑には、「進化と多様性」というテーマがあります。
なかなか図鑑にテーマがあるってのも珍しいですよね。中身も一貫していて、冒頭に昆虫の進化と歴史が説明されており、掲載順も進化順に並んでいます。
また、分類(目)ごとに見出しに色がついており分かりやすく、下位分類(科、属)ごとに同じページにまとまっているのもポイント。
コラム「くらべてみよう」では昆虫の形態や生態、戦略などの多様性も垣間見ることが出来ます。
まさに昆虫の起源から多様性まで総括的に理解できる、そんな図鑑になっています。
このあたりが大人の方にもおすすめ出来る理由ですね。
読み物としても面白く、大人にもおすすめ!
学研の図鑑LIVE昆虫新版の写真
とにかく写真のクオリティが高い図鑑です。どう凄いのか見ていきましょう。
白バック撮影
![](https://midikanasizen.com/wp-content/uploads/2022/06/P6138892-2.jpg)
この図鑑の最大のウリともいえる写真のクオリティ。
従来のこの手の図鑑は標本(=死んで色あせた虫)の写真がよく使われていました。
この標本というのが厄介で、特に蛾の仲間なんかは生きている時は翅(はね)をたたんでとまるのに、標本は翅を開いて固定するので、
\見た目が全然違う/
となるのは超あるある!なんですね。笑
で、この図鑑は生きた昆虫の白バック(背景)撮影をしているんです。
これ、ものすごいことなんですよ。だって生きた虫は動きますから。撮影協力者の人数も凄いことになっていて、それぞれの分類群ごとの専門家が撮影しています。
種類ごとに異なる生態を理解して、ポーズを揃えて、動き回る昆虫と格闘して、撮影技術を駆使して、背景の白を抜く加工して…これを2800種ですよ。なんと膨大な努力と時間がかかったことでしょう。
しかも全部新規撮影らしいですよ。まじかよ。
さらにポーズを揃えている、というのもポイントです。
これはイラスト図鑑のメリットともいえる部分で、同じポーズで全身が描かれていると比較しやすいんですね。
これが全ての種が白バック撮影だと完全にイラスト図鑑を上回る質になってしまいます。
なんということでしょう。笑
さらにさらに、このポーズにもこだわられていて、最もその虫の特徴が分かりやすい角度、捕まえた時の姿に近い、バケツに入れた姿に近い、そんな写真になっています。
凄すぎですね…笑
実物大の写真
多くの種で実物大の写真が使われています。
とても小さい種や大きい種などページの構成上実物大に出来ないものは、隣に実物大シルエットが乗っているので安心。
紙の丈夫さもあって、上に虫を乗せて比較してみる使い方も出来ていいですね。
成長ステージの写真
主要な昆虫に関しては、卵、幼虫、蛹、成虫と各ステージの写真が掲載されています。
一定の時期しか見られない姿もありますから、ここでもかかった労力は計り知れません。
他の図鑑と比較
日本の昆虫1400も生きた昆虫の白バック撮影
こちらもベストセラーでムーアも愛用している「日本の昆虫1400」。全種生きた昆虫の白バック撮影です。
単体の写真クオリティはほぼ同じですが、掲載種数が段違い。単純に1400と2800ですからね、倍です。
また、実物大ではないので〇〇mmという数値を見ないと大きさがピンと来ないのも日本の昆虫1400の弱点です。
日本の昆虫1400は携帯性がいいところが最高だけどね。
さらに学研の図鑑は昆虫だけでなくダンゴムシやクモなども掲載しており、昆虫採集中に出会える生きものを広くカバーしているのが良いですね。
もちろん昆虫以外の生きものも全て白バック(一部黒バック)撮影です。
学研の図鑑LIVE昆虫新版の本文
では、写真ばかりが良いかというとそんなこともありません。
本文の内容やコラムもこだわり抜いたものになっています。
体のつくり
昆虫はトンボ目(もく)やチョウ目、など大きく目という分類にわけられます。
その目ごとに体のつくりや特徴が詳しく書かれています。
あらためて凄く勉強になったよ。
育ち方
分類群ごとにメジャーな種の育ち方も載っています。
つまり、卵からどう育って成虫になり卵を残すか、という分類ごとに全く異なる生活史が写真付きで分かりやすく解説されています。
この生態写真もまた綺麗だねぇ
コラム
本文中のコラム的な文章もめちゃくちゃ充実しています。
約300ページのうち見開き右側下に毎ページ豆知識が書いてあります。これだけでも楽しい。
さらに特徴的な種は野外の生態写真と合わせて解説が細かく記載されています。生態や採集方法などと合わせると覚えやすいんですよね。
ちなみにクモの巣の形状や採集方法など写真では伝わりづらいものはイラストが的確に使われています。さり気ないですが凄くいいなと思いました。
写真と種名を並べただけではない、圧倒的な情報量だよ!
学研の図鑑LIVE昆虫新版の使い心地
今回は紙の本を買ってみたので、内容以外の使い心地も簡単に紹介します。
角が丸い
最初にぱらぱらめくった時、「あ、角が丸い。めくりやすー」と感じました。
ハードカバーですが、中身の紙の角がカットされていて怪我もしづらいし折れづらいし、細かいけど凄い工夫だなと感じました。
全文ふりがな付き
児童書では当たり前なのかもしれませんが、漢字に全てふりがなが振ってあります。
これ、専門用語にも当然ふりがな振ってあるので大人としてもありがたいんですよね。
だって翅脈とか脛節とか普通読めないじゃないですか。
たしかに子供に聞かれても答えられないから助かる!
索引
巻末の索引にもひと工夫あり。
テントウムシはナミテントウとも呼ばれるのですが、ちゃんとどちらの名前からも引けるようになっています。
さらに用語も索引に入っていますので、用語からの検索も可能です。
学研の図鑑LIVE昆虫新版のおまけ要素
児童書にはありがちの付録も充実してますよ!
ちびっ子も大喜びだね!
動画
昆虫の狩りの様子や採集テクニックなどが美しい動画で見られます。
DVDが付属しているのはよくありますが、本図鑑はスマホからも視聴できます。
ただ、学研のGakken IDとやらに登録するのがちょいと面倒でした。ログイン画面が何度も出てきたりしてややこしい…笑
ARを見る
![](https://midikanasizen.com/wp-content/uploads/2022/06/arappli_20220625123531.jpg)
これちょっと面白いですよね。
一部のARマークが付いている昆虫は、アプリを使って呼び出すことが出来ます。
回転させてりして色んな方向から観察できたり、好きな場所に置いて撮影できる機能もあり。
楽しそう!
やってみたい〜!
採集・飼育・標本作成方法
巻末には図鑑ページとは別に、昆虫の採集、飼育、標本作成のページもあります。
この手の図鑑ではおなじみですね。
採集に関してはページも少なく情報量が少ないかな、という印象。
飼育ページは種ごとにシンプルにまとめてあり、分かりやすく感じました。
標本作製は比較的簡単なコウチュウとチョウの2パターン。思ったより丁寧に説明されていました。
これを見ただけで作れるか…は微妙ですが必要最低限の情報は載ってます。
あくまでこの辺はおまけ、という感じですね。
学研の図鑑LIVE昆虫新版の気になる点
最後はちょっと気になる…というか強いて言うならここが弱点かなぁという部分。
大きい、重い
![](https://midikanasizen.com/wp-content/uploads/2022/06/20220626_133058.jpg)
大判の図鑑ですから、大きく重いです。サイズを考えれば当然なのですが、それでも片手で持ちながらページをめくることもできます。
今回の新版、なんと紙まで新開発しているそうで重さ従来比89%なんだとか。
紙まで開発したの!?
ページ数が増えたにも関わらず、旧版と同じ重さなんだそうです。厚いから重く感じただけかもしれません。
というかそれを聞くと重い〜なんて言えなくなっちゃいますね。笑
でもでも、持ち運んで野外でも気軽に使いたい!という場合はKindle版がおすすめ。スマホで2800種のデータが全て持ち運べるという…やばいぞ。
ただし、Kindle版の場合は実物大表記が使えなくなってしまいますので注意が必要です。
紙と電子版、どっちも買っても5,000円未満だし、両方買っちゃおうかな笑
それは余程の虫好きだけでしょー!?
発見難易度がパッと見で分からない
これはまぁ本当に強いて言うなら、なんですが最近のハンドブックシリーズとかにある
「発見難易度★★★☆☆」
みたいなやつが個人的に好きなのであったら良かったなぁという感じです。
ひょっとしたら採集業者などによる乱獲を防ぐためにあえて載せていない可能性もあります。
が、やっぱり捕まえた虫が「よくいるやつ」なのか「ちょっと珍しいやつ」なのか気になってしまうのは人の性。笑
ちなみに解説文をきちんと読んでいけば「都市部でも普通に見られる」とか書いてあるのでご安心を。
まとめ
制作陣の気合いと熱と愛が詰まった、今後数十年は業界のトップに君臨するであろう昆虫図鑑が誕生しました。
中には虫が苦手、という方も知り合いにいることでしょう。
苦手=知らないということも多いですから、この図鑑で昆虫の歴史やつくりを総括的に知り、美しい白バック写真を見れば克服出来ることもあるかもしれません。
ぜひ皆さんも素晴らしい図鑑を持って昆虫への興味を引き出してみてください!
よき昆虫ライフを!