【野鳥図鑑】「あした出会える野鳥100」が初心者におすすめな理由!
こんにちは!
都市公園で野鳥観察の講師なんかをしているムーアです。
〜〜タンクトップでお尻ふりふり〜〜
いや突然なに!?変態か!
今回紹介する本の内容だよ!笑
というわけで、今回は書評です。
先日発売した「散歩道の図鑑 あした出会える野鳥100」が鳥ごとのキャッチフレーズを用いた珍しいタイプの図鑑で良い感じだったのでレビューします!
タンクトップでお尻ふりふり、もある鳥のキャッチフレーズだったんだね!
あした出会える野鳥100がオススメな人
どんな本?
2022年3月に山と渓谷社から出版された、新しい図鑑シリーズ「散歩道の図鑑シリーズ」の1冊です。
まだ「雑草の花」と「野鳥」しかないみたいだけど、増えるのが楽しみなシリーズだね!
このシリーズ、種ごとにキャッチフレーズが用意されていて、全然知らない種でも不思議と親近感がわいてきます。
あした出会える野鳥100は、そんなキャッチフレーズに加え、写真&イラストが使われた贅沢な野鳥図鑑です。
こんな人におすすめ
普通の図鑑とは少し趣が異なるため、読者を選ぶかもしれません。
おすすめ
・野鳥の観察をじっくりしたい人
・身近にどんな野鳥がいるのか知りたい初心者
・身近な野鳥の暮らしを知りたい中〜上級者
・身近な野鳥について説明する機会がある人(保育、教育関係、保護者)
・近年の身近な鳥の動向を知りたい人
あまりおすすめしない
・身近な野鳥がしっかり識別できる図鑑が欲しい
では、おすすめの理由を紹介していきます!
あした出会える野鳥100の良いところ
とにかく文章が面白い!図鑑って写真やイラストの多さや識別ポイントで勝負!って感じのイメージなのですが、この本は少し違います。
キャッチフレーズ
〜タンクトップでお尻ふりふり〜
〜〜木の幹を走り回る忍者〜〜
などなど、100種全てにキャッチフレーズが用意されています。キャッチフレーズ読むだけで面白いんですよね。
しかもその鳥の特徴的な部分を一言で分かりやすく表しているんですよ。種名を思い出せなくても、「お尻ふりふりの奴だ!!」ってなると思います。笑
生態解説
一般的な野鳥図鑑って、識別点=見た目の特徴がメインで、
・餌は何か?
・巣やねぐら、繁殖の様子は?
・名前の由来は?
といったことは書いてない事が多いんですよね。
この「あした出会える野鳥100」は、そんな識別点以外の「観察してて疑問に思う点」が書いてあるんです。
ムーアも初めて知ったことも結構書いてあるよ!
講師としてそれはどーなのよ!?笑
まぁさすがに大半は知ってたけどね!ホントだよ!笑
とまぁそれはさておき、こういった生態解説、それも最新の分布状況や都市化に合わせて変わってきた鳥の動きまで書かれている本は少ないです。
近年の分布、増減
で、その近年の動きなんですけど著者の柴田さんは都市鳥研究会の幹事でもあり、近年の野鳥の動向について詳しく調べられております。
そんな著者の実際の観察記録や経験から書かれた文章には説得力があり、バードウォッチング中〜上級者も知らないことが書かれていそうです。
季節による動きなんかも詳しく書かれていて、「あー確かに留鳥(一年中見られる鳥)なのに冬しかみないと思ったわ!」みたいな事をぶつぶつ呟きながら読んでいました。
写真とイラスト
こちらの記事で紹介した、「野鳥手帳」でも良いなと感じた写真×イラストを併用したスタイルを採用。
イラスト:全身が同じポーズで統一されて描かれるので、比較しやすくわかりやすい。ただし、色味や質感がどうしても伝わりづらい。
写真:光の当たり具合での質感や色味が、実際に観察した時と同じなのでわかりやすい。ただし、全身写っていなかったり真横からではなかったりポーズがまちまち。
という両者のメリットデメリットを補う形で使えるので、イラスト×写真図鑑が好きなんですよね。
どうしても写真担当とイラスト担当は別になるため(両方できる強者も中にはいますが)、出版のハードルは高くなると思われます。さらに本文解説も入る3名体制という豪華な図鑑です!
あした出会える野鳥100の気になるところ
イラスト
イラスト担当のpiro piro piccoloさんのイラストは水彩タッチでめちゃくちゃ可愛らしく、グッズも大人気のイラストレーターさんでムーアも大好きな作家さんです。
一方で、精細さには欠けてしまいます。どうしても「野鳥手帳」の水谷さんのイラストの方が精細さ、リアルさがあり図鑑向きかなぁと思ってしまいました。
とはいえ、一通り読み終わって気づきました。初心者の方は、可愛らしいタッチのイラストの方が親しみやすく、キャッチフレーズの親しみやすさとの相性も抜群です。今回の本の趣旨としてはピッタリなイラストだったんですね。
お子さんに見た鳥の説明をする時も、この可愛らしいイラストが大活躍することでしょう。解説文も相まって、人に鳥のことを説明しやすい本です。
掲載順
「あした出会える野鳥100」は分類順ではなく、小さい順(陸の鳥と水辺の鳥ごと)という不規則な並び方をしています。
多分一般的な並び順に慣れていると「おぉっ!?」となります(なりました笑)。初心者の方がぱっと環境と大きさからひくには便利で画期的な並び方です。
ある程度鳥を知っている人からすると、図鑑ではなく読み物かな、という印象を受けてしまいます。
図鑑機能
今回紹介してきた「あした出会える野鳥100」、図鑑としての出版ですが個人的には図鑑的な使い方よりも、観察前に読んでおく読み物的な感じかなと感じました。
掲載種数も少ないですし、掲載順も図鑑的ではないし、写真やイラストもオスメス夏冬すべての姿が載っていません。
そういった識別要素を重視するのであればこちらの「野鳥手帳」がおすすめです。掲載種数は約240種です。
ですが、観察した野鳥にもっと興味を持ったり、観察前に親しみを持ったり、といった使い方が出来るのが「あした出会える野鳥100」の強み。種名覚えなくてもキャッチフレーズだけなんとなく記憶にあればピンときますしね。
読み物として使うならKindleなど電子書籍で買うのもありですね。
結局タンクトップでお尻ふりふりするのは何なの〜!?
知りたい人は買って読もうね!笑